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【リーグワン初の“広島ダービー”で勝敗を分けたモノとは】(寺田弘幸)

2022年12月20日

リーグワン初の“広島ダービー”で勝敗を分けたモノとは

合同練習もする知った仲で、ともに広島ラグビー界を盛り上げるために普及活動も行っている。同じ志をもつ仲間であると同時に、自然と負けたくない気持ちが沸き起こってくるライバルでもある。マツダスカイアクティブズ広島と中国電力レッドレグリオンズによる“広島ダービー”が、12月17日にジャパンラグビー リーグワンで初めて実現し、中国電力レッドレグリオンズが勝ち名乗りを上げた。

勝敗を分けたポイントは先制点だった。マツダスカイアクティブズ広島は序盤から敵陣でプレーする時間を長くしてチャンスを作ったものの、得点できない。前半15分に龍野光太朗が狙ったペナルティーゴールが成功して先制していれば――。悔やまれてならないプレーもあった。

中居智昭ヘッドコーチは「前半にチャンスを仕留め切れなかったことがすべてではないかなと思います。何回も何回もチャンスがあるわけではない中、チャンスを確実に仕留めた中国電力レッドレグリオンズさんと、なかなか仕留め切れずにズルズルといってしまったマツダスカイアクティブズ広島という形で勝敗が分かれた」と試合を振り返っている。

中国電力レッドレグリオンズとしては、思い描いていたことができた試合だった。粘り強く守って前半29分に岩永健太郎のトライでリードすると、主導権を握って試合を進めた。

岩戸博和ヘッドコーチは「とにかくわれわれはディフェンスにフォーカスしてきて、そこを試合の入りから体現してくれたと認識しています」と試合を振り返り、共同キャプテンの鳥飼誠が欠場となるアクシデントにも動じず粘り強く戦った選手たちを称えた。

一つにまとまって相手にプレシャーを掛けた中国電力レッドレグリオンズに対して、マツダスカイアクティブズ広島は焦りを募らせてペナルティーを重ねていく。途中出場から後半24分にトライを決め一矢を報いた武田知大は、悔しそうに話した。

「気持ちの面で今日は相手のほうが強くて圧倒されてしまったところがあった。そこで上回りたい。技術とかではなくて、気持ちで勝ちたいです」

特に“ダービー”で重要な気持ちの面で、マツダスカイアクティブズ広島は引けをとった。

今季、“広島ダービー”はあと2試合ある。3月12日ある2戦目はマツダスカイアクティブズ広島の選手たちが発奮するに違いなく、さらに熱く激しい攻防が繰り広げられるに違いない。

試合後記者会見

  1. 中国電力レッドレグリオンズ(D3)

    岩戸博和ヘッドコーチ

    「リーグ関係者のみなさま、マツダスカイアクティブズ広島のみなさま、ご来場いただいたみなさま、ありがとうございます。総括なんですけども、とにかくわれわれはディフェンスを今回はフォーカスしてきて、それを試合の入りから体現してくれたと認識しています。結構トラブルが試合前にあったんですけど、みんなパニックになることなく落ち着いたゲーム展開ができました。前半でまず点を取ってしっかりと守っていこうということで、選手たちが意思統一して戦ってくれたと思っています」

    ──開幕戦が広島ダービーということで重要な試合だったと思いますが、試合前に選手にかけた言葉はありますか?
    「どうしても意識してしまうところがあるので、僕自身は広島ダービーということをあまり意識せず、『相手がスカイアクティブズ広島だよ』ということも言わないようにしていました。『やったことしかできないよ』という話を試合前にしましたし、ゲームウィークもずっと『良い結果出すために良い準備をしよう』ということしかフォーカスは当てていなかったです」

    ──共同キャプテンの鳥飼誠選手が欠場となりましたが、その影響について
    「試合2日前にケガをしましたけど、人数も少ないので各選手に複数ポジションを春からずっとやらせていたので、僕はどうしようかなってなったんですが、選手は落ち着いていました。ベンチワークは非常に難しかったですけど、リードできたのが大きくて、追いかける立場だとかなり厳しかったと思います。意外とみんなが順応してくれたっていうのが実際のところです」

    ──吉田橋藏選手がコンバージョンとペナルティーゴールを合わせてキックを6本決めて良いパフォーマンスを見せてくれたと思います。
    「最初のタッチキック2本がピッチを出なかったので、どうしたものかと思いましたけど、その後にすべて帳消しにしてくれた。ゲームを作っていく上でも大きいキックだったと思います。あとで褒めておきます」

    ──次節に向けて。
    「基本的にやることは何も変わらないです。自分たちのラグビーは相手どうこうではないので、ディフェンスの部分をしっかりと粘り強くっていうところを、シーズンを通してやっていきたいと思います」

    西川太郎キャプテン(ロック)

    「リーグ関係者のみなさま、マツダスカイアクティブズ広島のみなさま、本日はありがとうございました。総括としては、春からディフェンスのところをフォーカスしてやってきて、そのやってきたことを今日は出せたかなというのが一番です。アタックに関しても試合前に準備したプランどおりに遂行できた。それがすべてだったなと思います」

    ──開幕戦が広島ダービーということで重要な試合だったと思いますが、試合前に選手にかけた言葉はありますか?
    「僕も試合前の円陣で『今までやってきたことをやるだけだ』っていうことと、『今まで支えてきた方々に対して、グラウンドに立つ責任と誇りをもって戦おう』ということを伝えて、スカイアクティブズ広島さんだからという話はしなかったです」

    ──共同キャプテンの鳥飼誠選手が欠場しても落ち着いてプレーできた理由はなんでしょうか?
    「練習から特にバックスはいろんなポジションをやってきた経験があったので、こういう事態になっても冷静にできたんだと思います。誰が出てもできるって、みんなを信頼していたので、そんなに不安にはならなかったです」

    ──次節に向けて。
    「僕らはチャレンジャーなので、NTTドコモレッドハリケーンズ大阪さんの胸を借りるつもりで、全力で真っ向勝負していきたい。まだまだ試合があるので、1試合1試合で成長していきたいと思いますし、もちろん勝ちを目指して頑張っていきたいと思います」

    マツダスカイアクティブズ広島(D3)

    中居智昭ヘッドコーチ

    「本日は天候も悪い中、開幕戦に来ていただいたたくさんファンの方々、関係者のみなさま、ありがとうございました。ゲームのほうは、やはり前半にチャンスを仕留め切れなかったことが敗因のすべてじゃないかなと思います。何回も何回もチャンスがあるわけじゃない中、チャンスを確実に仕留めた中国電力レッドレグリオンズさんと、なかなか仕留めきれずにズルズルといってしまったマツダスカイアクティブズ広島という形で勝敗が分かれたと思っています。
    ゲームの中でも、『プレーヤー・オブ・ザ・マッチ』のエドワード・カーク選手にかなりブレイクダウンのところでプレッシャーを掛けられてボールを動かすことができず、後半はそのプレッシャーに負けて倒れている人数がわれわれのほうが多くなってしまった。それでより苦しんだのかなと思います。
    まだまだ開幕節ということで、われわれも課題を修正しながらやっていきたいと思います。プレーのつながりというところで今日はすごく分断されてしまったので、一つひとつのプレーをどれだけつなげられるかにフォーカスしてやっていきたいと思います」

    ──ペナルティーが多くなった要因は?
    「中国電力レッドレグリオンズさんの前に来る圧力やブレイクダウンでのボールを止めるような圧力が勝っていたところがあり、そこでわれわれが焦り始めたところがペナルティーの多さにつながったと思います」

    芦田朋輝ゲームキャプテン(フランカー)

    「本日は試合に来ていただき、ありがとうございました。試合の敗因はペナルティーを自分たちで積み重ねてしまって相手にチャンスを与えてしまったところだと思っています。あと、ブレイクダウンや球際のところでのプレッシャーを受けてしまったことで前へ出られず、それがペナルティーにもつながって得点を重ねられてしまったことが今日の反省点だと思っています」

    ──広島ダービーだったこともかなり意識して臨んだのでしょうか?
    「同じ広島のチームということで、本当に負けたくないという想いでやっていたんですけど、こんな結果になってしまった。次節にしっかりと良い準備をしていきたいです」

    ──なかなか得点が決まらず焦りもありましたか?
    「そうですね。チャンスを作る場面は何回もあったと思うんですけど、結果として1トライしか取れていないので、それが焦りにつながったところはありました」

    ──そういう焦りがペナルティーの多さにつながった?
    「はい。チームとしてペナルティーを少なくすることを意識してやっていたんですけど、結果としてペナルティーが多くなって、こういったゲーム展開になってしまいました」

    武田知大(フッカー)

    ──開幕戦をどんな気持ちで迎えましたか?
    「個人的にはめちゃくちゃ気合いが入っていて、でもリザーブということだったので、出たらミスを恐れず全力で今までやってきたことをぶつけたい思いでした」

    ──出場する時はビハインドの状況でした。どんなプレーが必要だと感じていましたか?
    「チームがミスを恐れて消極的になっていたので、自分が流れを変えたいと思っていました。ボールキャリーだったりタックルだったり、そういう自分のできるプレーで流れを変えたいと思って入りました」

    ──トライになったシーンを振り返ってください
    「ずっとセットプレーは基本的に勝っていて、敵陣に行く場面も多かった中で、前半はノットストレートもあってミスで終わっていたので、ミスをなくしたら絶対に取れると思っていました。僕もスローワーとして集中し、スクラムの起点にもなっていったのでミスのないように集中していました」

    ──残念な結果になりました。ロッカールームの雰囲気は?
    「すごいみんな落ち込んでいましたけど、試合が続きますし、中国電力レッドレグリオンズとはあと2試合できるので、その2試合で勝つために切り替えて、次は絶対に勝てるようにしたいです」

    ──チームとして次の試合はどういうところが大事になると感じていますか?
    「気持ちの面で今日は相手が強くて圧倒されたところがあったので、そこを上回りたいです。技術とかではなくて、気持ちで勝ちたいです」

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