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優勝が決まっても最後のホストゲームで負けても、なお前進。その姿勢がラグビーを面白くする
晴空のもと、強風が吹き荒れたBalcom BMW Stadium。中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)はホストゲームでNTTドコモレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)を迎えて0対31で敗れた。
勝利したRH大阪は1試合を残してディビジョン3優勝とディビジョン2昇格が決定。広島に駆け付けたファンとともに栄光の瞬間を分かち合った。キャプテンの杉下暢は優勝までの戦いを振り返り、「一戦一戦、チームとして成長していくことができた」と胸を張る。
「自分たちの課題をしっかり見つめ直し、その課題を克服するためにコーチと選手が一緒に考えてクリアしてきたので、そういった『毎週よくなろう』というマインドセットが優勝という結果につながりました」
RH大阪はチーム再編成を経てディビジョン3から再スタートとなったが、『前回よりもいい試合をしよう』という『Better than before』の精神で前に進んできた。今節は強風や相手のエナジーを受けて「難しい試合だった」とマット・コベイン ヘッドコーチが振り返ったが、これまで積み上げてきた自信を表すような完封勝ちで優勝を成し遂げた。
対する中国RRも、今季最後のホストゲームで敗れたものの、課題に立ち向かう姿勢を見せた。今節、岩戸博和ヘッドコーチが掲げたのは「ラグビーの原点」と表した「前進」。ここ数試合は相手の勢いに対して受け身になっていたが、攻守において前に向かって戦うことにフォーカスした。
特にディフェンスでは立ち上がりから中国RRらしさを発揮。首位チーム相手でも受け身にならず、気持ちの入った泥臭いプレーで力強い試合の入りを見せた。岩戸ヘッドコーチも「ディフェンスのタックルの部分では前に出て止めていたシーンはいくつかあったので、フォーカスしてきた部分を選手たちが体現してくれた。そこは評価していますし、選手のことを誇りに思います」と話す。
ディフェンスでは手ごたえを得たが、アタックは相手の堅いディフェンスに阻まれて無得点に終わり、岩戸ヘッドコーチは「得点できなかったのが一番の反省点」と悔やんだ。それでも、また課題に向き合って次の試合に臨んでいく。その姿勢がチームを少しでも先に進める。グラウンド上でも、チームの成長でも、大切なのは前に進もうとする意思だ。
シーズンは終盤戦だが、どちらのチームも前進を止めない。RH大阪は次節、ホストで今季最終戦を戦う。杉下は「シンプルに今季のベストゲームをします」と最後まで気を抜くことはない。入替戦の可能性をわずかに残している中国RRは重要な2試合が残っている。共同キャプテンの西川太郎は「二つとも勝ちに行って、もっと成長していきたい」と意気込む。前に進もうとする意思、それがラグビーを面白くする。
(湊昂大)
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