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プライドを懸けた広島ダービー 森田政彰が胸に抱く責任と覚悟
2024年2月24日
中国電力レッドレグリオンズ 森田政彰選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】
試合の前日、メンバー入りした選手たちはヘッドコーチからジャージーをそれぞれ手渡される。
「ファーストジャージーは大切なもの。高校のときに『本当に大切なものを着ているんだぞ』と監督に教わったので。そのときから大切に扱うことを守っているし、プレッシャーを感じながら責任と役割を理解して着ています」
森田政彰はジャージーの重みを知っている。試合のメンバーに選ばれたからこその責任と、ラグビーを引退した人や試合に出られない人たちの思いもジャージーに乗せてグラウンドに立つ。
32歳の森田は大きなけがなくこれまでのキャリアを過ごしてきたが、負傷でラグビーを辞めていく選手たちの姿も見てきた。兄が脳震とうの影響で20代のうちに引退。中国RRのチームメートだった幼馴染の岡本大輔はずっと負傷に悩まされ、リーグワンの舞台に立てないまま、昨季限りでスパイクを脱いだ。
「僕の周りは自分で終わりを決めるというよりけがで引退している人が多くて、そういう人たちのぶんも頑張りたいと思っている。自分はけがが少なくて手術もしたことないので、できる限り長くプレーを続けていきたい」
さらに、今季はバックスのポジション争いが激しくなった。森田も開幕2試合で新人の東将吾にセンターのスタメンを譲ったが、前々節の広島ダービーで先発に復帰して勝利に貢献。それ以降はレギュラーの座をつかんでいる。
「いまは出場できているけど、全然あぐらをかいていられない。常にいいパフォーマンスを出さないと、すぐにレギュラーから落ちてしまうという危機感を持ちながらやっている」
チームは勝利という同じ目標に向かって切磋琢磨しているが、その中から試合のメンバーに入れるのはスタメン15人とベンチ8人の23人に限られる。これまで中国RRは常に負傷者が多く、試合の戦力に余裕がなかったため、今季のような激しいポジション争いは森田も初めてだという。
だからこそ、「自分もジャージーを着られないときは落ち込むし、逆に着るからにはやってやろうと思う。メンバーに選ばれない選手もいるので、選ばれたら責任はしっかり果たさないといけない」とジャージーの重みをあらためて実感している。
広島ダービー2連勝を狙う今節も森田はスタメンに入った。試合前、戦う覚悟を決めてグラウンドに向かう。「ジャージーを着ると、やっぱり気持ちが入る。頑張らないといけないと思うし、身が引き締まります」。
森田だけではない。試合のメンバーはそれぞれの思いを胸にファーストジャージーを身にまとい、プライドを懸けた広島ダービーに挑む。
(湊昂大)
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