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味わった悔しさを忘れない。自分たちの物語に “勝利”の4ページを刻む覚悟
中国電力レッドレグリオンズ 宮嵜隼人選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】
1点差で惜敗した前節から数日後、本来ならばオフの日に岩戸博和ヘッドコーチは選手たちを集めてミーティングを行った。
「試合後に悔しい思いがあったと思うけど、少し時間が空いて頭が冷静になったときに、その悔しさを忘れてほしくなかった。『ラスト4試合はもう一回覚悟を決めて、全部勝ちにいこう』と話しました」
中国電力レッドレグリオンズ(以下、中国RR)は今季8試合を終えて(不戦敗を含む)1勝7敗。成績だけ見ると昨季とほとんど変わらないが、試合内容は接戦や善戦が増えている。第5節のマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)戦は粘り強いディフェンスで1点のリードを試合終了までの約10分間守り切って今季初勝利。その一方で、第7節のSA広島戦と前節の清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)戦はどちらも最後まで逆転の可能性を残したが、主導権を握りながらも得点を奪い切れずに勝利を逃した。
今まで以上に好勝負ができているため、岩戸ヘッドコーチは「昨季と比べたら絶対に強くなっているし、勝つための土台は選手自身も備わっていると自覚しているはず」とチームの成長を実感している。そこからさらに前進するために、これまでに経験した悔しさや学びを、勝利への伏線に変えていく。
「前節の1点差の負けも、(5点差で負けた第7節・)SA広島戦も、僕らのストーリーだったし、そういった経験の積み重ねで、『残りの試合は本気で勝ちにいこう』という話をした。これまでの試合があったからこそ、最後は4連勝できたというストーリーにもっていくのが僕の仕事。そういう思いでミーティングをしました」(岩戸ヘッドコーチ)
前節のラストプレーで誰よりも悔しい思いをしたのはルーキーの宮嵜隼人だった。高精度のキックを武器に今季チームトップの81得点を記録するスタンドオフは、ゴール前のこう着状態で最後にキックパスを選択。だが、ボールは惜しくも味方に届かず、タッチライン外に流れて試合終了となった。
「選択肢がいろいろあった中で、選択が間違いだったとは思わないけど、咄嗟の判断だったので、もっと頭をクリアにして状況を理解して選択できたら良かった」と、宮嵜は反省しつつ、前節の経験を糧に戦い続ける。
「江東BS戦の負けは夢に出るかと思うぐらい悔しかったので、それをこれからの試合にぶつけるしかない。あの試合で経験したことを今後の試合で生かしていかないといけない」
中国RRは今節、すでに昇格を決めた強敵の日野レッドドルフィンズをホームに迎える。選手たちの覚悟は決まっている。シーズン終盤戦で伏線回収へ。自分たちの物語に勝利を刻みにいく。
(湊昴大)
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