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2シーズン連続フル出場へ。 堅実なプレーヤーだからこそ目指すモノ
2024年4月26日
スピードやステップワークで相手をかわしてトライを決める。ウイングはラグビーの花形ポジションの一つだ。だが、右ウイングでプレーする藤井健太郎は「僕は平凡な選手ですよ」と落ち着いた口調で言う。
「僕は確実性をとるタイプ。突出したものがあるわけではないので、自分が生き残っていくために、安定感のあるプレースタイルを目指しています」
藤井は2022年4月に中国電力レッドレグリオンズに加入。持ち味である攻守に堅実なプレーを続けて、右ウイングのレギュラーの座をつかんでいる。
「派手なプレーができる選手ではないので、地味なところを評価されていると思う。非凡じゃないので、一発で大きいゲインはできなくても、1回1回のボールキャリーで地道にゲインしたり、チームの勢いを付ける場面で顔を出したり、自分のできる範囲を確実にやることを意識している」
1年目の昨季はチーム最多6トライを決め、ゲインメーターでもディビジョン3のランキング6位に入るなど活躍が光った。今季はこれまで2トライと物足りないが、試合中のコミュニケーションや味方との連係も向上し、特にディフェンスで手ごたえを得ている。
「昨季よりディフェンスは確実に成長できているし、数字に表れないところを頑張れている。目立つタックルは多くないけれど、昨季より外でブレイクされる数も減っているし、ディフェンスの粘り強さは自分でも評価しています」
昨季はルーキーで全12試合フル出場を達成。今季も不戦敗になった第4節を除いて常にグラウンドで戦ってきた。今節はクリタウォーターガッシュ昭島をホストエリアに迎えてのシーズン最終戦。スタメンに入った藤井は最後までプレーすると、2シーズン連続の全試合フル出場を果たす。
「ウイングはフル出場が当たり前だと思っていて、その上でどれだけタフに動けるかだと思う。試合に出る以上は80分間走り続けて激しく戦うところはこだわっています」
藤井は地に足をつけて戦っているが、もちろん飛躍への意欲もある。「いい選手は地味な基礎ができた上で派手なことができると思うので、基礎をおろそかにして上を目指すことはできない」。これまで地道に土台を築き上げてきた。そこに飛躍のための種をまいていく。
「今後につなげるためにも、この平凡な殻を少しでも破らないといけない。結局は自分との戦いだし、我を出すところが自分に足りないところだと分かっている。そこは芽が出るまで努力するところです」
華々しいプレーがウイングのすべてではない。堅実な藤井は自分らしく咲くために80分を戦い抜く。
(湊昂大)
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