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【ピックアッププレイヤー】岩永健太郎

2024年3月14日

岩永健太郎

ポジション:フッカー(HO)

身長/体重:171㎝/102kg

生年月日:1995年04月12日(28歳)

出身校:帝京大学

 7点ビハインドの34分、密集からボールを拾った岩永健太郎がゴールエリアに突進する。相手選手のタックルを受けたが、岩永の勢いは止まらない。むしろ相手を跳ね返すように体を押し込んで、力強くチームのファーストトライを取り切った。

岩永は3月9日の清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)戦に先発出場し、冒頭のソーンの34分に続き、56分にもトライを決めて、1試合で2トライを記録した。前節から連続で2トライを決めたが、どれもラインアウトやモールの流れからチームで取った形だったため、「ごっちゃんトライみたいな感じで、全員で取ったものなので、そこまで重視はしていない」と謙虚に話す。

ただ、その中でも江東BS戦のファーストトライは、「自分の力を存分に使って取れた」と本人も満足のプレーだった。岩永は今シーズンに向けて体を本格的に強化。昨シーズン終了時は体重88kgだったが、夏の結婚式に備えて85kgまで減らし、そこから体を鍛えて102kgまで増やして、以前よりも当たり負けしない体を作り上げた。その取り組みの成果が今回のトライや今季のパフォーマンスに表れていた。

「今シーズンはウェイトをかなり増やして臨んだので、そのおかげで前に出られるシーンが増えたと思う。体の強化はしてきたので、それがアタックの部分で生きています」

岩永は今季の開幕戦で先発出場したが、その後は体調不良や怪我の影響もありリザーブが続いていた。同じフッカーの浅井佑輝が活躍していたため、なかなかレギュラーの座をつかめず、「悔しい思いをしていた」。それでも、ピッチに立てば、力強いパフォーマンスを披露。「アタックでインパクトを与えるところは、ヘッドコーチからも期待されているので、そこはリザーブの役割を理解してプレーできていた」と与えられた役割で輝いた。

今節は6試合ぶりに先発出場し攻守で存在感を放ったが、チームは1点差で惜しい敗戦を喫した。岩永は、「1点の重みを感じた。勝ち切れないところが詰めの甘さだと思う」と悔しさをにじませたが、今季は接戦の好ゲームができていることで、「今までの中国RRの中では強くなっていると思うので、そこを信じて練習するしかない」と前を向く。

今季は残り4試合。「最後の試合まで諦めず、1つでも多く勝ちたい」と意気込む岩永。現在負傷離脱中の浅井が復帰すれば、またポジション争いも激しくなるが、「2人しかいないフッカー仲間として、ときにライバルとして、切磋琢磨してお互い成長していきたい」と向上心を持って取り組んでいく。

(ミナトコウタ)

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